まとめばスイス

物価高の国で仏陀の如く過ごしたい

スイスで携帯料金を節約する方法(引きこもり向け)

海外生活の立ち上げと携帯電話

外国生活の立ち上げ作業の一つに、在住国での携帯番号の入手があります。申請書に電話番号の記載が求められる場合も多く、早いうちに入手したいと考える方は多いと思います。

海外旅行や短期滞在であれば、今持っている携帯電話の国際ローミングを利用するという選択もありますが、料金がなかなか結構なお値段。

もしかして、このお金持ちの国スイスでは、ローミング代?全く気にしないけど~という方が数多くおられるのかもしれませんが、私は(今のところ)そのような方々の生活圏にかすることすらなく、物価の高さに驚愕しながら生きております。

ともあれ、スイス引っ越し後3日目に、安いプリペイドの SIM カードを買いました。その入手方法、実際に使ってみた感想、料金について、など、以下まとめてみました。

安心感を求めて Swisscomを選択

スイスに来る前に住んでいた国(某EU国)では、格安 SIM の一つである Lycamobile を使っていました。格安のデータプランがあり、EUローミングにも対応していて、特に不満もなく(というよりかなり満足して)利用していました。しかし、規約によると、国際ローミングは短期旅行を目的としており、長期の居住の際に利用し続けた場合はペナルティがあるのだそう(要は料金体系が変わってローミング料金が高くなる)。

スイスの Lycamobile の料金を調べてみたところ、格安だけどそんなに格安じゃない。つまり、スイスの物価水準から考えると、格安に分類されるのかもしれないけれど、私が必要なサービスと価格とのバランスが見合っているようには思えませんでした。スイスの物価に慣れてきたら大丈夫になってくるのかもしれないけれど・・・。

まだ何も知らない国だし、まずは格安にこだわるより、安心感(あくまでも安心「感」でしかないのかもしれないけれど)を求めて、日本でいえばNTTに該当する Swisscom がいいかなと考えました。夫が勤務先から支給された携帯が Swisscom という刷り込みもありました。サービスが不満だったら、後からキャリアの変更できるだろうし、迷って何も決まらず時間だけ経過するのは避けたい。ということで、とっかかりとしてのSwisscom。

Swisscom にアポイントメントを入れる

SIM を入手するには、Swisscom のショップに本人が行く必要があるとのこと。身元確認を実際に行うことで、携帯番号が不正やテロに使われるのを防ぐためなのでしょう。

滞在していた AirBnBWi-fi を使って、Swisscom ウェブサイトからアポイントメントを入れました。フォームの中で、スイスの携帯番号が必須項目でした。夫の勤務先からの支給携帯があったため、その番号を入力することができましたが、「そもそも携帯電話持ってない人が申し込むんじゃないんかーい」とツッコミを入れたくなりました。

(今これを書いている時点で、もし本当にスイスの携帯番号を一つも持っていない場合、どうやってアポイントメントを取ればいいんだろう?と Swisscom ウェブサイトで連絡先の項目を見てみたところ、チャット、コンタクトフォーム、コールバックなど、他の連絡方法が提示されていました。よかったー、ツッコミいれなくて。)

アポイントメント当日、遅れてはいけない!スイスは時間に正確らしいので!と緊張しつつ、時間ぴったりお店に到着できるように調整していったら、結構な混み具合で、さらに15分ほど店内をぶらぶらして待つことになりました。

店内を見渡していると、どうやら、アポなしでも、待ち時間は長くなるものの、受け付けてはもらえるらしい(注:2020年1月、コロナ規制前のお話)。

スイス滞在許可証がもらえるまでは、プリペイド携帯の契約のみ可能

スイス到着3日目、滞在許可証は申請中、住所も仮滞在先。そのため、料金後払いのプランは選択できず、プリペイドのみ選択可能と言われました。「滞在許可証がおりて、住所も決まったら、料金後払いプランに変更できるので、その時はまた来てくださいね」とのこと。

手続きは、パスポートを提示して、フォームに記入して終了。その場で SIM を手渡してくれました。SIM の料金は19.90 フランで、20フラン分の通話・データ料金が含まれているため、実質無料

高いイメージのある Swisscom、使い方によっては最安値かも

日本では、いわゆる大手キャリアと格安SIMとの間にはかなりの価格差がある一方、大手キャリアの料金はほぼ横並びな印象があります。

スイスでは、大手の中でも Swisscom はさらに別格に料金が高いように思えます。そして格安 SIM の会社が割と豊富に選べる印象を受けました。

スイス新入りの身として当初は Swisscom に授業料を払い、慣れてきたら格安SIMに切り替えようと思っていました。

しかし、その後、コロナ関連規制が出て、外出は最低限のみ。現在無職。引きこもりの身となり、家のWi-fiがあれば事足りるため、携帯電話を使う機会がほとんどなくなってしまいました。

Swisscom のプリペイドは、基本、月額料金はゼロで、電話はかけた分だけ、データは使った分だけ料金が発生します。そのため、使わなければ使わないほどお得。(なお、別途、通話やデータのパッケージを購入することも可能です。その場合は月額料金が発生。プリペイドなので最初に入金し、その後パッケージを買う形になります。)

私の場合、最初に支払った SIM カード料金に含まれている20フランでしぶとく9か月ほど乗り切ることができました。1か月あたり2フラン強ですんだ!

 

ちなみに、20フランの使い道の内訳は以下の通りです。

  • コンビネーションパッケージ S(データ通信1か月 250MB; SMS/MMS無料):4.90 フラン(1か月のみ、試しにパッケージを買い、その後解約)
  • データ通信(スイス国内、1日あたり 2 フラン):4 フラン(後述の「うっかり通信」で使った)
  • 通話(1分あたり 0.29 フラン):1 フラン

残金 0.10 フランでどこまでいけるか試してみたい気もしつつ、緊急事態で電話が必要になった場合に残高がないと困るかもしれないので、10フランを追加で入金(トップアップ)しました。Swisscom の Cockpit からクレジットカードで入金可能です。なお、この Cockpit からプリペイド残高の確認や、上で述べたデータプランの申し込みをすることができます。

ちなみに、12か月間利用歴がないと、サービスが停止されてしまいます。最低でも年に1回は通話かデータを忘れずに利用すること。(残高照会だけでも利用として認められるのかどうかは未確認です。)

注意:あらかじめ、「モバイルデータ通信」の設定をオフにしておく

上で書いた通り、ほとんど携帯を使わない場合、とっても安くすむのですが、一方で、あらかじめ気をつけておかないと、気づかない間にプリペイドの残高が減っていた!という状況が発生しうるため、あらかじめ、「モバイルデータ通信」の設定をオフにしておくことが重要。

Swisscomのプリペイドは、基本料金がゼロの分、利用分の料金が高額に設定されています。基本料金ゼロの場合、スイス国内でのデータ通信利用料は1日2フラン(データ量の多寡にかかわらず)。

「今日は久々の外出で、外で調べものしたり、がっつり使うぞ~」という日に、自覚的に2フランを支払うのであれば問題ありません。

しかし、自宅のWi-fi がなぜか落ちてしまった(最近多いですね)ときや、外出先、あるいは外出前の玄関先でWi-fiの圏外に入ってしまったときなどに、特に急ぎでもない Line や WhatsApp 等からのメッセージが入ってきて、データ通信に自動的に切り替わってしまうと、それで2フランがチャリーンと落ちていきます。

さらに、スイス国境を超えて、データ通信に切り替わってしまった際は、ローミング料金までかかってしまうという!

プリペイドの良いところとして、残高以上の課金はされないため、心配であればあまり多額のチャージを入れておかないことでも対策できるかなと思いました。

上に書いた通り、私の当初プリペイド残高20フランのうち、4フラン(20%ですね)はこのうっかりデータ通信で持っていかれました。ご参考になればと思います。

公共交通機関の切符はプリペイド携帯から買えない

これは自分が実際に試していない(できない)ことなのですが、Swisscomのお店の人に聞いてみたことなので、念のため記しておきます。

トラムやバス等の公共交通機関の切符をSMSで買える仕組みがあるようなのですが、プリペイド携帯からは買えません。

そのため、私は都度、停留所にある自動販売機で切符を買っています。幸い、今まで切符を買っていたために乗り遅れたことはなく、また、たまにしか公共交通機関を使わないため、今のところ、そこまで不便を感じていません。

まとめ:Swisscom のプリペイド SIM が向いている人

 

Swisscomのプリペイド SIM を利用するのが向いていると思われる人の特徴をまとめてみました。

  1. 家などにWi-fiがあり、ほとんどデータ通信の必要がない人
  2. 二段階認証のSMS、各種サービスの申し込み時など、スイスの携帯番号は最低限必要だけど、通話はあまり必要ない人
  3. 必要に応じてプリペイドの入金をするのが苦にならない人
  4. 既にスマートフォンを持っていて、新しく買う必要がなく、SIMだけあればいい人

スイスには格安SIMの選択肢も多く、また、インターネットやTVと合わせて契約することで大幅な割引を提供するプランもいろいろとあるようで、すでに良いプランをお持ちの方も多いかと思います。

私は、最初はプリペイドしか買えない身分だったためこの選択肢になったわけですが、今のところ、結果的に、私には向いているようです。